RSウイルス感染症の予防接種『シナジス』の費用は保険適用?助成は出る?
インフルエンザよりも怖いといわれているRSウイルス感染症ですが、実はシナジスという薬で重症化を予防できるのをご存知ですか?
乳幼児がRSウイルスに感染すると重症化しやすいといわれているので、予防接種があるのならば受けたいと思うお母さん方も多くいらっしゃるでしょう。
予防接種の費用は?保険適用できるの?医療費の助成はあるの?など気になるシナジス接種について、今回はご説明していきましょう。
RSウイルスの予防接種『シナジス』の費用はどのくらい?
RSウイルス感染症の重症化を防ぐといわれているシナジスですが、あまりなじみがなく初めて聞いたという方も多いかもしれません。
ここでまず気になるのは費用ですよね。
結論から言うと、このシナジスで重症化を予防するには、かなり高額になるようです。
まず、投与する量が体重によって決まるので、体が大きくなるにつれ費用はかさみます。
1kgあたり15mlを筋肉注射にて投与することになっていますので、新生児3kgだとすると15×3=45mlということになりますね。
シナジスは執筆時点で、50mlあたり77000円ほどですので、これに受診料や接種にかかる費用かプラスされることになります。
ちょっと普通の家庭では厳しすぎる費用ですよね。
また、シナジスは他の予防接種とは違い、接種を行っても1か月で効果がなくなってしまいます。
ですからRSウイルスが流行する期間、毎月接種しなければなりません。
だいたい9月から翌年の2月まで流行することが多いので6回程度接種する必要がありますね。
そしてその間も、乳児はどんどん体重が増えていきますよね。
1歳児では個人差もありますが大体10kg程度になりますので、投与量は150mlとなり、100mlの料金はおよそ15万円ですので、23~24万円程度かかることになるでしょう。
8万円~24万円を毎月6回の出費となると、RSウイルス感染症の重症化を予防するといっても、シナジスになじみが少ないのは納得できますね。
シナジスに保険適用はあるの?
自費でシナジス接種をするとなると、高額の費用が必要であることがお分かり頂けたかと思います。
そこで気になるのが、保険が適応になるのかどうかですよね。
実は、シナジス接種は保険適用になるケースも存在しています。
ただ、保険適用で受けるためには、いくつかの条件がありますので確認していきましょう。
早産児
具体的には、以下のようなケースですね。
- 在胎週数が28週以下でRSウイルスが流行するときに12ヶ月以下の赤ちゃん
- 在胎週数が29~35週でRSウイルスが流行するときに6ヶ月以下の赤ちゃん
早産かつお腹の中にいた週数によって月齢に制限があるというイメージで良いでしょう。
先天的に肺や心臓に持病がある24か月以下の子供
こういった持病のある子供も、RSウイルスに感染した際に重症化のリスクが高いために、保険適用となるようです。
ダウン症の24か月以下の子供
ダウン症の半数では先天的な心疾患があるので、保険適用できるのはもちろんですが、心疾患のない場合でも保険で接種できることになっています。
兄弟がいらっしゃる場合、健康な兄弟児では症状が軽く、RSウイルス感染症だと気が付かないこともあります。
このケースでは低月齢のうちからRSウイルスに感染する可能性がありますので、ぜひかかりつけ医に相談されてください。
このように、早産児や先天的に心臓や肺に持病がある乳幼児は、重症化する確率が高いといわれているため、シナジスの接種に保険が適用できるのですね。
逆にこれ以外のケースでは、基本的に保険適応にはなりません。
RSウイルスは早期受診で十分に対策可能な病気ですので、予防接種を受けるよりは風邪のような症状でも病院を受診することが大切になるでしょう。
シナジスの予防接種に助成金は出る?
いくら条件が当てはまり保険適用できるといえど、医療費の2割程度は自己負担しなければなりませんよね。
毎月の出費となると厳しいですが、助成金はあるのでしょうか?
実は、保険適用でシナジス接種を受けられる場合は、大体の場合で助成金が出ることがほとんどです。
シナジスの接種が保険適用で受けられるケースでは、必然的に乳幼児医療の対象となります。
お住いの自治体によって助成額は違いますが、無料または少額の負担で済むでしょう。
医療機関の窓口で一度自己負担をして、後日役場などで手続きが必要になる場合もありますので、領収書を保管しておいたり、事前に役場等に確認したりしておきましょう。
まとめ
条件が当てはまれば、高額のシナジス接種が保険適用で受けられるので、重症化する確率の高いお子さんをお持ちのお母さんは安心ですね。
重症化しやすいお子さんはぜひシナジス接種を受けられることをお勧めします。
なお、健康なお子さんの場合は、お伝えしたとおり、無理に受けずとも良いでしょう。
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